よくわかんない話

電子コミックがかなり広がっているし、実際私も紙の本を買わなくなってきた。
紙の方がいい、開けばすぐ見られるし、という私が感じる紙の最大のメリットを抑え込んででも電子コミックにしているのは、単純に「紙の本を置く場所がない」からだ。
同じ理由でフィギュアも買わない。造形の美しいものとか、好きなキャラクターのものなんかは非常に欲しいのだが、本当に置く場所が無い。わざわざそのために飾り棚を買うほど熱心なフィギュアマニアではないから「(置く場所ないから)買わない」という判断を下している。

株式会社って、株主の半数以上は1単元だけ持っている株主たちじゃないだろうか。純粋に人数だけで考えた場合。要はライトユーザーが人数的にはほとんど。
株を大量保有している株主が少数しかいなくても議決権を過半数以上持っていたりすれば関係ないので株に関しては人数は問題にならないからそれでうまく回っているんだろうけど、これが漫画の場合、一人で10冊も20冊も買う大量保有株主はほとんどいないだろう。
漫画が株式会社の株主構造と同じで、その購入者がほとんどライトユーザー(つまりちょっとその漫画が好きとか、興味があるとか、惰性で買ってるとかだ)として……勿論中には一人で100冊買うような本物のファンもいるとは思うけど、そういうライトユーザーがいままで買い支えていたところに「置く場所がない」とか言い始めたら、どんなに面白くてもどんなにいいお話でも、もう漫画の内容と関係なく、買わなくなる。
家の、家具の、スペースの問題になってしまって「それでも置きたい」となかなか思うことなんてない。家具買うのってホイと簡単に買うようなことじゃない。
これが100冊買うヘビィユーザーなら買うのかもしれない。
でも私たちライトユーザーはライトと自称するだけあって漫画のほかにも色々なものが部屋に置かれていて、それぞれを置ける範囲内で集めたい「広く浅く」の人たちだから、置く場所がないなら本棚買えばと言われてソウデスネと頷けるわけではなく、本棚買うならクローゼットを買いたい、なぜなら既に部屋に服があふれているからと返事をしてしまうような体たらくだ。
「置く場所がない」は、本棚買うとか買わないとかに起因したり解決されたりすることではない。漫画を「置く場所がない」のは漫画を買いすぎて置く場所がないんじゃなくて、ほかのもんも全部増えすぎて最終的にこれ以上何も増やせない状態に追い込まれているだけだ。服とか化粧品とかゲームとか。
そしてついに「置く場所が無いから紙の本は買わない」と言い出すのである。

電子コミックに興味が出るのは自然なことだ。部屋を掃除しろと言われればそれまでだが掃除しても限界はある。じゃあ不要なものを捨てろとなるとますます漫画を買わなくなる。逃がせるものは電子に逃がそう、ということで、電子コミックって置く場所とか関係ないからほんといいよね。
ライトユーザーがなぜこんなに部屋に物が溢れるのか、これはライトユーザーというか私に限った話だと思うが、浪費家なのだ。なんでも気になったら買ってしまう。イイナと思ったら熟考せずに買う。集める。飾る。「置く場所ない」が解決された途端、堰を切ったように買い始める。いやあ、電子っていいわ。何の話だっけ?